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WITH MY CHINA TOWN

こだわりを突き詰めたら、独りでやることに達した

ーコロナの影響で、舞台に立てない状況が続き、どんなことを考えていましたか?

榊原:不思議なことに、コロナがはやり出した年に、劇場を全然予約してなかったんです。ずっと芝居を作っていて「こういう感じの内容で、あんな風に演出して」って考え続けていたら、疲れちゃったの。役者が自分の求めているレベルと違うと、理想の演出ができない。これからどうしていこう……と考えていた時に「全部独りでやろう」って思いついたんです。特技でもある料理を、自分でお客さんに振る舞って、旨い手料理をおなかいっぱい食べてもらって、飲んで、芝居を楽しんでもらう”ディナーショウ”という名のワンマンライブをやろうと決めたんです。

ー独りでやることに不安はなかったのですか?

榊原:スタンリー・キューブリックの人生を、独りで語るワンマンライブを開催したんですが、不安だらけでしたよ。独りでやるから、稽古場もいらない。車の中で集中して、ひたすら台本を読む。頭が締め付けられる程、不安になりました。そういう心理状況でやると、すごい分量の稽古が出来るんです。どんな言い回しだと、お客さんに耳を傾けてもらえるか……独り試行錯誤したものを、本番で初めて人前でお見せする。緊張で、手がガタガタ震えていました。お客さんは、飲んで楽しくやっているから、舞台に立っても、自分を見てくれない。芝居はスタートしているので「じゃあ始めますよ」とは言えない。でも「……ちょっとだけ聞いてもらいたい」と語り始めると、だんだん静かになって、誰ひとり飲みもせず、芝居に集中してくれたんです。終わった時は、盛大な拍手をもらい、嬉しかったですね。どうしてあんなことができたんだろうって、今でも不思議に思います。しかも、公演時間を急遽短くしたので、本番前日に台本を変更したんです。それでも演じ切ったんだから、スーパーマンみたいでしょ(笑)

演じる楽しさを伝えたい

ー2009年4月初演以来のロングセラー、活読劇「七慟伽藍(しちどうがらん)」の公演が、6月から再び始まりますね。

榊原:はい。久しぶりの公演で楽しみにしているんです。お芝居をやっているのは、観劇して頂いた人に、芝居を演じる楽しさを伝えたいという思いがあるからなんです。自分の人生、意外と普通でつまらない……と感じている人は、自分が舞台に立って、喝采を浴びることも必要だと思います。THE REDFACEの芝居を見て、演じることにはまり、立派な役者になった人もいるんですよ。スタートラインを高くして、レベルを上げないと、役者で食べていけないから、熱意のある人にはバンバン指導します。

ー榊原さんも、昔から演技に対して熱意があったんですか。

榊原:「こういうスタンスの芝居がしたい!」という思いが、昔から強かったんです。撮影現場や舞台で「どうしてこの人は、こんな芝居してるんだ?!」と疑問に思うほど、雰囲気の違う芝居をする人がいるわけですよ。自分の見せ場だと思うと、ストーリーの前後関係を気にせずに、突拍子もない芝居をする人ね…逆に言えば、俺も新人の頃は、そういうことをやっていた可能性があったわけ。だからこそ、自分で一から芝居を作ってみようと思ったんです。

ー演出を通して、得たことは何ですか?

榊原:人を育てることは無理。育たない。

ーそれはどんな意味ですか?

榊原:育てるのではなく、もともと自分の持ってたものを披露するだけ。周りから評価をされて、自分の良さに気付いたら、勝手によくなるし、そこからより良いモノにするために、もっと勉強していくんだけどね。演技を通して、自分ってなあに?とアイデンティティーを見つめる機会になっているのかもね。

ー中華街で、市民劇団ができたらすてきですね。

榊原:市民劇団、いいと思います。芝居を通していろいろなことがわかるから、面白いですよ。対人恐怖症を治したいと演劇を始めた人が、びっくりするほど自信を持つようになって輝いたり。それが本来の自分なんだけどね。演劇が、本来の自分を引き出してくれただけ。納得できるものを創作することに対して、俺は厳しいと思う。伸びて、頭一つ抜ける人は、ほんの一握りしかいない。高い所を目指す心意気がないと、そこまで上り詰められないから。だけど、市民劇団って、突然飛躍する人が出てくる可能性を秘めていて、それが魅力でもあるんだよね。

これからは自分の好きなことをシェアしていきたい

ー最近、ニコニコチャンネルや、ラジオ番組も開始されましたね。今後の活動予定についてお聞かせください。

榊原:ニコニコ動画では「さかきばTV」を開設し「Sakakiの料理SHOW」という番組で、得意の料理を披露しながら映画や舞台の話をしています。ラジオは、横浜中華街のご近所にあるコミュニティ放送局「マリンFM」でこの4月からパーソナリティーを務めています。今後は、動画配信やラジオを通して、自分の好きなことや、得意なことを積極的にお披露目しようと思ってます。趣味の料理も、実は食品衛生系の資格を取得済みなんです。この資格があれば、食品を販売することも可能なんだそうです。友人に好評の手作りミートソースや、ミルクレープを通信販売する日も近いかもしれません!好きなことを極めると、なんでも仕事になるんです(笑)

ー榊原さんの美味しい手料理を、是非味わってみたいです!今日は、楽しいお話しを聞かせて頂きありがとうございました。

※撮影時のみマスクを外しております。



取材、文/MAYA 撮影/伊藤 司

大珍楼

昭和20年創業の老舗。横浜中華街のメインストリート中華街大通りに面し、中華街のシンボル「善隣門」にもほど近い、故宮をイメージした荘厳な作りのお店です。本場香港職人が織り成すこだわりの料理の数々。最高級の食材を使った飲茶・海鮮・広東料理と、特別なお料理が入ったコースや、130種類以上のオーダー式食べ放題を提供しております。インタビューの締めくくりは「大珍楼」支配人栗原義徳氏と記念撮影。 店舗詳細ページへ

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Profile

榊原利彦(さかきばらとしひこ)

1989年に演劇集団幕末塾の一員として芸能界デビュー。当時の芸名は咲輝であったが、その後、本名の榊原利彦として芸能活動。1993年NHK朝の連続テレビ小説『ええにょぼ』を始め、様々なドラマに多数出演。2006年から、劇団レッド・フェイス(現・THE REDFACE)を主宰。朗読劇「生きている小平次」をプロデュース。朗読劇「アクジョニツイテ」からは、プロデュース、出演、演出の三役をこなす。

ニコニコ動画「さかきばTV」
https://ch.nicovideo.jp/redface

榊原利彦オフィシャルブログ「天才の仕事」
https://ameblo.jp/sakaki-blog/

榊原利彦Facebook
https://ja-jp.facebook.com/sakakibara.toshi

榊原利彦twitter
https://twitter.com/bmaaa4lq0oy6t0u


公演スケジュール

活読劇「七慟伽藍(しちどうがらん)」

八千代公演

2021年6月4日(金)〜6日(日)
八千代市民会館小ホール


福井公演

2021年7月17日(土)
朝倉市遺跡特設会場

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