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ウフフな、横浜中華街。

ウフフな、横浜中華街。

カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪

第26回

2017/02/28

ぜんぶ絶品! 世界各国のレストラン

イタリア、スペイン、ブラジル、マレーシア…と、世界各国のレストランが横浜中華街にあるのをご存じでしょうか。中華料理店がひしめくこの地に、まさに殴り込みをかけたかのような出店。アウェイの闘いだけに、どこも絶品! 読者の方から「洋食のイイお店を教えて!」というリクエストにも応えて、“隠れ家”のようにして愛されている4店舗をご紹介しましょう。

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カフェ・レストラン・バー

TRES(とれす)

古民家をリノベーションしたイタリアン

近所にあったら仕事帰りにフラリ立ち寄りたい、上海路のイタリアン。かつては美容室だったレトロなたたずまいは、建築愛好家の間でも知られています。一歩中に入ると、我が家に帰ってきたような居心地の良さです。

かつては美容室として親しまれた、小さなテラスがある愛らしいたたずまい。店頭の黒板も目印です。
1階はキッチンを目の前にした、カウンター12席のみ。こちらのカウンターがなんとも居心地がよく、ついつい長居しちゃうんです。お客さんは30〜40代のお一人様が中心で、隣り合わせて意気投合、お客さん同士で遊びに繰り出すなんてことも!
2階へと続く階段には赤いシャンデリア♪ テーブル席もちゃんと用意されています。当連載第23回の記事では、こちらで開かれたクラシックライブにお邪魔しました。先日はカーネギー・ホールで演奏したという、世界的なオカリナ奏者のライブも。ライブは月2回ペースで開かれているので、お店のFacebookを要チェック!

ハムもパテもソースも自家製

数人でやってきて「何を注文しよう…」と迷ったら、まずはコレ! 『トレスの前菜盛り合わせ』。

左下から時計回りに自家製ハム、本日のカルパッチョ、カマンベールチーズフライ、洋風ネギトロ、自家製パテの5品がボリューム満点で、1600円(税込)とお得。シェフが豚の肩ロースから作ったハムは、脂も美味しく、肉のうまみがギュッと詰まった逸品です。自家製パテは粗いものからペースト状のものまで挽き方を変えた3種の肉を練り込み、その食感も楽しい一品。
常連さんたちが「飲める」と表現する、マルゲリータ1100円(税込)。とにかくモッツァレラチーズがた〜っぷり♡ お土産にいただき翌朝オーブントースターで温めて食べても、そのおいしさは変わらず!
店長の林さんが「私が好きのは『牛タン』よ」と言って、3品目を出してくれました。じっくり煮込んだトロトロのお肉はもちろんのこと、グリル野菜も甘みたっぷり。フレンチの経験もあるシェフご自慢の一皿です。ワインも共にすれば、一日を癒やしてくれる夜になりそう♪
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カフェ・レストラン・バー

トラヴェソ グリル(とらう゛ぇそぐりる)

カウボーイ生まれのブラジル版BBQ

20年ほど前に話題になったブラジルスタイルのBBQ“シュラスコ”。もともとは南米のカウボーイたちの食スタイルで、今では本国ブラジルの各家庭の庭でも楽しまれています。近ごろ日本では、ブラジルワールドカップを機にその人気が再燃! 新しいお店も増えているようです。

さて、こちらは12年前にオープンしました。平日は近隣のビジネスマン、週末は家族連れが多く、200名も収容できるため大規模なパーティが開かれることも。さらに大勢のサッカー選手も足繁く来店。ブラジル人選手や、サッカー留学をしていた日本人選手たちは、懐かしい味を求めてやってきます。

シックで高級感ある店内には、なんとワインセラーまで完備。“シュラスコ”に合う、各国ワインやクラフトビールも取りそろえています。
専用グリルにセットして、じっくりと焼き上げる“シュラスコ”。美味しそうに焼けているのは、一番人気、牛のピッカーニャというお尻上部の部位(イチボ)。その他、クッピン(背中のコブ肉)、カパ デ フィレ(肩ロース)などの各部位や、ポーク、チキン、ラム、ソーセージなどバラエティ豊かに味わえます。
こんなふうにして、目の前で切り分けてくれたら、自らトングでつかんでプレートの上へ! シンプルで滋味豊かな味わいです♪
甘みと酸味が増した、焼きパイナップルの美味しさにもビックリ! プレーンとシナモンを振ったものと2種あり、ハマる人が多いようですよ。

ブラジル家庭料理など60種以上のサラダバーも!

母体の会社が青果業を営んでいるため、種類豊富な新鮮サラダバーも人気の秘密です。

写真一番下の白い筒状のものは、ヤシの新芽でビタミンがいっぱい。パルミットというそう。
サラダバーで盛り合わせたブラジルの家庭料理『フェイジョアーダ』。ライスに掛けているのは、豚、牛、ソーセージ、黒豆を、塩こしょうだけで5時間も煮込んだもので、こっくりとした豆に肉のうまみがしみこんで、や・み・つ・き! 粉末タロイモとケールものせていただきます。

奥にあるのはブラジルスイーツ。ココナッツプリンや、いわばグアバ羊羹とチーズを組み合わせたものなどもあり、異国情緒たっぷり。お肉もサラダバーもお腹いっぱいになるまで自由に食べて、大人2時間4150円(税込)。火曜にはサンバショーもありますよ♪
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カフェ・レストラン・バー

MALAY ASIAN CUISINE(横浜元町店)(まれーあじあんくいじーん)

世界の朝飯TOP10入りしたという『ナシレマ』って!?

2015年にオープンして以来、本国をはじめ外国人たちにも人気のマレーシアレストラン。店内の半分が、海外の人という日もあるそう。そのおいしさは近隣でも噂で、今回取材した他店からも「あそこは一度行ってみたい」との声が!

マレーシアにゆかりある人は、必ずと言っていいほどオーダーする『ナシレマ』。本国では朝食でよく食べられるもので、お客さんから「世界の朝飯ランキングで9位だったよ」の情報も。何のランキングかは定かではないけれど、マレーシアではとってもポピュラーな料理なんです。

ココナッツで炊いた爽やかなご飯に、伝統料理の『ビーフレンダン』、イカンビリス(煮干し)とサンバルソースを絡めたもの、野菜、卵、えびせんなどお皿の上でミックスして口の中へ!
甘さと辛さと香辛料の複雑な味わいにピーナッツのコクも加わって、次に訪れたら一番にオーダーしたい一皿でした。
続いていただいたのは『マレーシアチキンライス』。つやつやのふっくらジューシーな鶏肉とジャスミンライスを、3種のタレでいただきます。お肉やタレの美味しさもさることながら、ライスに感激! 米はチキンの骨や香り付けのリーフなどと炊いていて、軽やかでありながらうま味があってペロリ完食ー!

『ナシレマ』と『マレーシアチキンライス(海南チキンライス)』はランチで1000円(税込)。サラダ、ドリンク、スープ、デザートの食べ放題もついています。夜は『ナシレマ』1100円(税別)、『マレーシアチキンライス』1050円(税別)で、1人150円のテーブルチャージもつきます。

化学調味料を使わない多民族料理

マレーシアに暮らす人々の25%は中国系、7%はインド系といわれる、多民族国家。そのため各国の食文化を楽しめるのも、マレーシア料理の特徴です。当店のエビ料理も中華料理のテイストを感じられます。いずれも唐辛子の辛さの中に、食材がもたらすうま味があり、エスニック好きにはたまりません。

ブルーの看板が目印のお店。中はシャンデリアが美しいシックな空間です。すべてのメニューに豚肉は使わず、料理にアルコールも用いないハラルフードなので、イスラム教徒の人たちも安心。飲める人にはお酒やマレーシアドリンクも用意しています。ぜひ訪れてみて!
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カフェ・レストラン・バー

龍起茶房AQUI(りゅうきさぼうあき)

バルセロナ料理&中国茶の食堂

横浜中華街關帝廟のすぐ近く、中国ムードムンムンの「龍起茶房」の看板下には、アクアパッツァやイベリコ豚のメニューがズラリ。その実力を知らなければ、素通りしてしまうような不思議な空気を漂わせていますが…… 一度知ったらハズせない、お客さんはリピーターばっかりなんです!

ここが入口。階段を昇って2階へ上がります。
やっぱり店内も不思議空間。中国の装飾にワインやキャンドルをレイアウト。定期的にギターライブやフラメンコ、ベリーダンスなども開催され、まさに多国籍。スタッフさんも肩の力が抜けて、とにかくおおらかなお店です。実は定休日も定まっていなかったけれど、近ごろやっと、毎週水曜に固定(笑)。
愛されキャラの店長・花元さん。お客さんと肩を並べて、おしゃべりを楽しむこともしばしば。
最初に運ばれてきたのは、『イベリコ豚の肩ロースのロティー』1400円(税込)。イベリコ豚の中でも最高ランクのベジョータという肉を使い、塩こしょうだけでシンプルにいただきます。「今まで食べたイベリコ豚は何?」と思えるほど繊細で力強い味わい。「どんぐりや雑草、野のハーブで育った豚なので脂身の旨みが違います」とオーナーシェフが話してくれました。

オリーブのウッドプレートには、カレー風味の豆腐やピクルスなどの付け合わせ、日本ではあまり知られてないしっとりしたスペイン産バケットなども。一口一口、斬新で繊細な味をかみしめては、幸せが募っていく感じ。

実はオーナーシェフは、スペインFCバルセロナの元会長にスカウトされ、元会長が経営するレストランでシェフを勤めた本格派。その後はワシントンD.C.に渡り、世界のVIPを相手にしてきました。「まさか、こんなとこで、こんなすごい人に!」という出会いは、ココ中華街ではときどきあって、それは街のエネルギー源でもあります。

食後は薬膳茶ブレンドをオーダー

もう一人のプロフェッショナルが、薬膳茶をオリジナルブレンドしている、通称タカちゃん。チベットや中国で買い付けてきたお茶を、注文に応じてブレンドしてくれます。

「お腹いっぱい食べてスッキリさせたい」という私に勧めてくれたのは『健康八宝茶』。その名の通り8つの“お宝”がブレンドされています。ビタミン・ミネラルが豊富なジャスミン茶をベースに、美肌や健胃にお勧めのキクラゲ、風邪気味のときにも使うバクダイカイという木の実、ナツメ、クコノミ、キク、ジャスミンの花、龍眼というライチのような果実も。「龍眼の働きはいろいろあるけれど、自然の甘みをもたらすために入れました」とタカちゃん。食後まで幸せな美味しさに包まれる、知る人ぞ知る隠れ家です。

家庭でジャスミンライスを炊くコツ

最近はスーパーでも手に入るジャスミンライスですが、なかなか美味しく炊けないものです。MALAY ASIAN CUISINEのホールスタッフさんも、「ジャスミンライスは難しいんです」とキッパリ。そこで、家庭でもできるコツを教わりました。油を少し入れることで一粒一粒をパラパラにし、チキンの骨、長ネギの切れ端やショウガの皮などの香味野菜を一緒に入れることで炊き込みご飯のような仕上がりに。ぜひチャレンジを!

千谷'sメモ

たまには世界の料理の名店へ! 新しい中華街に出会えます。

当コラムのライターさん

ライター千谷文子

ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!

見落としそうなマメ情報

横浜中華街Check Memo

チベットから買い付けた茶葉
1包=お茶好きおじさん3人分!?

チョコレートと見間違えた、かわいいパッケージの中国茶。龍起茶房AQUIのタカちゃんが、チベットなどから買い付けてきたもので1包約300円(15煎分ほど)。「お茶が好きな中国のおじさんたちが、3?4人集まるとちょうどいい分量」だそう。一度お湯を通した実ものが入ったお茶も、冷蔵庫で保管すれば数日持ちます。手軽なお土産にもなりますね。

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